明日から

福岡へ一人ランデブーしてきます。
九州といえば「躍動の宝庫」ごっこ
佐賀の農村に祖父母の別荘もどきがあるのですが、
そこでカエルというカエル、そしてバッタというバッタを採集するのです。
躍動するものなら基本的に何でもOKですが、手でつかまえることができるのはこの二つくらいでした。そして採集した彼らは「地獄の迷宮」バケツに投げ込まれます。
まるで地獄の火の中に投げ込まれる対立候補のように。
地獄の迷宮は「絶望の天蓋」という蓋に覆われているのですが、「希望の訪れ」という空気穴があるので、そこで彼らは息を潜めて同居するわけです。

未知なる他者との遭遇。きっと学ぶものも多かったはず。
あ、こんなカエルもいるんだ。
へえ、こんなにバッタに似たカエルもいるんだな。
そっか、世の中には色んなカエルがいるんだ。
みんな違って、みんないい。
私は私でいいんだ。

みながこのように新しい自分探しに成功している間にも、「躍動する」という共通点でのみつながった仲間が次々と投げ込まれます。総勢50匹ほどにものぼる、かけがえのない仲間たち。クラスがまとまりかけてきたそのとき、「絶望の天蓋」が外されるのです。
半日ぶりの青空。そして、フリーダム。・・おっと、自由のことね。
それは同時に別れをも意味するのです。
「いつまでも温室の中では育っていけない。
そんなぬくぬくとしたお前を、お前はお前の友だちに誇ることができるのか。
おのおのがおのおのの脚力で躍動してはじめて、胸を張って「友だち」といえるのではないか。さあ、旅立つがいい。これは別離ではない。再開にいたるまでの、ちょっとした『ご休憩』なのだから。」−−−−

足の本数こそ違えども、そのキラキラした瞳の奥に抱えるものは同じ。
いろんなことがあったよね。どさくさにまぎれて交尾する仲間、あげくのはてに産卵する仲間、仲間を食事と間違えて食べてしまうおっちょこちょいな仲間。
半日という短い時間の中で、思い出たちがほら、虹色に、きらめく。
この虹色の宝石を胸に、おのおのの脚力で躍動してみようよ!!

そんなわけでバケツの中のバッタとカエルはいっせいにバケツの外へと躍動するのです。
躍動につぐ躍動。50個の躍動、50個の奇跡。それはもうすさまじい光景です。
ピョンピョンピョンピョンピョンって感じです。
要はこれが言いたかったのです。カエルとバッタをバケツにたくさんためて、最後に蓋を外すとものすごい数のピョンピョンが見られますよという。この風景はすごいですよ。
「躍動の宝庫」ごっこはこの瞬間のためにあるのです。おすすめですよー☆☆